入浴健康法の基礎知識
水の深さで心臓への負担が変わる
(1)温熱作用:
42℃以上の高温浴では、入浴の初期に血圧が上がります。また、身体機能や精神も興奮します。これは交感神経が優位になるからです。41℃未満で不感温度(ほぼ体温)に近い温度の微温浴では、副交感神経が優位になるので心身共に鎮静的傾向となります。
(2)静水圧作用:
全身浴(肩まで浸る)では体にかかる水の圧力で、腹囲で約3−5cm、胸囲で約1−2cmも縮みます。したがって腹腔内圧が上昇し横隔膜が押し上げられて、肺の容量が減少するため呼吸が加速されます。また。血管が圧迫されるため血液がいっせいに心臓に戻るので心臓に負担がかかります。半身浴(肋骨下線まで浸る)では、この静水圧の影響は少なく心臓に負担がかかりません。
(記:日本気候物理医学会温泉療法医会会長 植田理彦 )
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